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意外な納税義務、知っていましたか?

2021.03.30

 

皆さんこんにちは!

兵庫プロメイン相続サポートセンターです!

 

今回は「意外な納税義務」について、その事例をお話したいと思います。

 

 

 

一人暮らしをしていた父が亡くなり、相談者と妹の2人で財産を相続することになりました。

父の遺産は基礎控除枠を大きく超えており、納税すべき相続税は1千万円に。

法定相続分どおりに相続し、相談者と妹で500万円ずつ相続税を納付することになりました。

 

ご存知のとおり、相続税の納付期限は相続開始(を知った日の翌日)から10ヶ月以内です。

 

相談者は納付期限までに500万円を納付しました。

 

 

 

 

ところが・・・・

 

暫くして、税務署から相談者宛に相続税納付の通知が届きました。

 

相談者はちゃんと納付したはずなのになぜこのような通知が届いたのでしょうか?

 

 

 

実は、妹が納付期限までに500万円を納付していなかったのです。

 

それどころか妹が相続した財産は全て使いきってしまっており、納付することが出来ない状態でした。

 

 

通常、相続税は受け取った財産の額に応じて納税額を振り分け、各相続人において納税します。

しかし、相続人の一人が振り分けられた相続税を納付期限までに支払わなかった場合、他の相続人に対して連帯納付の通知が行われます。

 

 

これを「連帯納付義務」といいます。

 

 

この通知が届くと、他の相続人も納付義務を負うことになります。

なお、連帯納付の額は自分が相続した財産から自分の相続税を引いた金額が上限です。

 

そして、連帯納付義務分の納税が遅れれば利子税が加算されてしまいます。

 

「自分は払ったのだからまた払う義務はない!」といって、放置しておくと税金はどんどん高くなってしまいます。

 

 

結局、相談者はさらに500万円を納付することになりました。

 

当然、妹に対して500万円を求償することになりますが、はたして財産を使い切ってしまった妹から回収することができるでしょうか・・・・。

 

 

 

 

 

「納税対策」として被相続人がちゃんと納税資金を準備していたとしても、それを納税資金に充ててくれるかどうかは相続人次第です。

今回のような事が起こってしまう可能性も考えておかなければなりません。

 

相続人の中に、「金遣いが荒い」「大きな借金を抱えている」など、お金に困っているような人がいれば注意が必要です。

 

相続財産分配時に、あらかじめ相続人全員の納税資金をどこかにプールしておき、残りの財産を分配するという方法を取るというのも一案ですが、相続人全員の同意が必要です(これに反対する相続人がいたとしたら要注意ですね)。

 

 

なお、遺言内容の執行について権限を持つ遺言執行者であっても、納税は相続人の義務になりますので、相続人の委任無く遺言執行者が納税行為を行う事はできないと解釈されています。

 

 

 

万全な相続対策を講じていても、最後の最後でトラブルになることがあります。

 

相続対策(節税、分割、納税)だけでなく、相続人の経済的状況もちゃんと考慮しておかなければなりません。

 

財産を残すほうも貰う方も、やはり相続って大変ですね・・・。

 

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