こんにちは。
税理士の佐竹と申します
2025年問題が引き金となり、今後「大相続時代」の到来が確実視されています。これに伴い、不動産、特に空き家となった実家などの相続が増加し、相続人が適切な税務知識を持つことの重要性が高まっています。
1. 2025年問題が引き起こす「大相続時代」
まず、2025年問題とは、団塊の世代(1947年~1949年生まれ)がこの年に後期高齢者(75歳以上)になり始めることによって起こる、日本社会の構造的な課題を指します。
このような社会構造の変化に伴い、「大相続時代」と呼ばれるように、相続件数の増加が予測されています。これに伴い、「空き家」となった実家など、不動産をめぐる相続手続きや税務申告が全国的に急増すると考えられます。
この「大相続時代」において、引き継いだ不動産を適切に処理・活用・売却するために、相続人が税務上の特例を正しく理解しておくことが極めて重要となります。
2. 相続した空き家を売却した際の3,000万円特別控除(空き家特例)
相続した不動産を売却する場合、大きな節税効果をもたらす特例の一つが「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3,000万円特別控除」(通称:空き家特例)です。
これは、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得(売却益)から最大3,000万円を控除できる特例です。
こちらの特例につき、従来は売却前の耐震リフォームまたは取り壊しが必須でしたが、令和6年(2024年)1月1日以降の譲渡では、買主が譲渡日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修工事または取り壊し工事を行う場合も適用対象となり、適用しやすくなったものと考えられます。
こちらの特例適用にあたっては諸条件があり、また令和6年1月1日以降の譲渡にあたっては相続人が3人以上の場合には控除額の上限が2,000万円に引き下げられるなどの制限もございますので、適用の際は専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
3. 相続税の軽減策:小規模宅地等の特例
相続税の申告時に、事業又は居住用に使われていた宅地等の評価額を大幅に減額できるのが
「小規模宅地等の特例」です。
被相続人の事業や居住用に使われていた場合には、下記の区分ごとに適用できる上限面積や減額割合は異なりますが、相続税申告時の評価額の大幅な減額につながりますので、土地の相続があった場合にはぜひ検討いただきたい特例となります。
・特定事業用宅地(事業に使っていた土地):400㎡まで80%減額
・特定同族会社事業用宅地(同族会社が事業に使っていた土地):400㎡まで80%減額
・貸付事業用宅地(貸付事業に使っていた土地):200㎡まで50%減額
・特定居住用宅地(住んでいた土地):330㎡まで80%減額
この特例の適用にあたっては、上記の特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地、貸付事業用宅地、特定居住用宅地に該当する場合には、それぞれの区分ごとに適用対象となる要件が異なりますので、上記に該当する可能性のある場合には専門家にご相談いただくか、早めにご検討いただくことをお勧めいたします。
また、この特例の適用を受けるためには、原則として相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)までに、遺産分割協議が確定している必要があり、申告の際に遺言書(又は遺産分割協議書)の写しを添付する必要がございますので、ご留意ください。
4.まとめ
不動産を相続した場合、相続人が特例を適用できているか否かによって税負担に大きな差が生まれることが予測されます。
税制面で求められる知識は多岐にわたりますので、不動産を相続した場合や、相続に対してご不安をお持ちの方におかれましては、一度専門家にご相談いただき、しっかりとした準備をしておくことが重要になります。


